中堅・中規模企業には「戦略」が足りない

私の提供するコンサルティングで重点を置いているテーマは「中堅・中規模企業の戦略化」です。

日本の就業者のほぼ2人に1人が勤めている「中堅・中規模企業」がもっと活性化すれば、日本の経済全体にとってもきっといいことになるはずです。出来ることは微々たるものですが、少しでも役に立てればと思っています。

 

「戦略」が足りないから業績が頭打ち

これまで多くの中堅・中規模の企業のお手伝いをしてきましたが、総じて言えるのはあまり「戦略」を考えている様子がないということです。「戦略」的に考えて動いていれば、もっと会社はよくなっていた業績も上がっていたのに・・そういう印象です。

実にもったいない話です。

従来からの、もっと言えば創業以来の事業ドメインや商流の範囲で活動していれば、一定規模に至ると多くの場合そこで業績は頭打ちになります。

今のまま十分な利益が稼ぎ続けられるなら無理に規模を拡大せずとも、身の丈に応じたビジネスを続けていけばよいのかもしれませんが、そこそこ儲かるビジネスであったなら他が放置してくれるはずがありません。市場も飽和し他企業と競争しなければなりません。さらに社会的、技術的な要因などによって事業環境はどんどん変化していきます。

そうなると「従来通りのやり方」だけでは現状を維持することさえ難しくなっていくのが普通です。周りがどんどん進んでいるのに何もしなければ、相対的に後退していく・・ビジネスの世界ではなおさらです。

そこで、「戦略」を考えて事業のやり方や重点を変えることでもっと違った展開ができるはず、していかなければならないはずなのですが、なかなかそうなっていきません。だから、中堅・中規模企業は中堅・中規模のまま、既存のビジネス規模を維持しようと躍起になるだけで、よくて「頭打ち」悪くすると「ジリ貧」状態に陥っていきます。

「戦略」と言っても難しい・・

そんなことは分かっていても、多くの中堅・中規模企業には残念な事情があります。

「戦略って言ってもどうやったらいいか・・」

それ以前に、

「日々忙しくてそんなこと考えているヒマがない」

忙しいし分からない・・それが中堅・中規模企業が戦略的に考えられない、動けない主な理由である気がします。

難しく考えすぎかも

大企業のように「事業ポートフォリオを大幅に見直す」・・といったドラスティックな(教科書で説明されるような)話ばかりが戦略でもありません。

「限られた資源を有効に活用して、最大限の成果を上げる」ためのものとすれば、中堅・中規模企業にも戦略的なやりようはいくらも考えられるはずです。

戦略策定にはいくつかのポイントやコツのようなものはありますが、要は「これまでと違ったやり方について検討してシナリオをつくる」というふうに簡単に考えてみてもよいかもしれません。

いずれにせよ一番マズいのは「(面倒だから)考えずに先送りにする」ことです。

戦略策定項目